Because We Love Happy Coding

フリーライターからエンジニア × 講師。発信力だけあり余ってる感じ

「増分バックアップ」「差分バックアップ」の違いは英語の方が覚えやすい

今日もまたコーディング。だって僕らはHappy Codingが大好きだから。

先に結論

  • 「増分バックアップ」「差分バックアップ」という日本語は、仕組みの実情を正しく伝えていなくて覚えづらい。訳語が悪い
  • incremental backupは「漸増バックアップ」の方が良い
  • defferential backup は「基準差バックアップ」にしてはどうか。

「増分」と「差分」の区別がつかない

バックアップにはいくつか種類がある。たとえば情報技術者試験などでも問題になるのが、「増分」とか「差分」の違いだ。

これらの違いについては、まぁ詳しいサイトがいっぱいあるのでそちらを読んでいただきたい。

中身はともかく、私はいつも、名前がどっちがどっちだかいつもわからなくなる。「増分」と「差分」。わかりづらい。

調べていたら、「増分」の英語として「incremental」が出て来て膝を打った。それなら、わかる。incrementalは「少しずつ足していく」という意味だからだ。バックアップに「少しずつ足していく」。これなら実情に合っている。

日本語の「増分」という単語には「増える」要素はあるけれど、「少しずつ足していく」というイメージがない。だから分からなくなるのだ。

incremental backupの訳語としては「漸増バックアップ」の方が良いのではないか。

もしかして、私が覚えられないのは、訳語が悪いのではなかろうか!

「日本語のイメージが勝手に付加される」差分=前回からの差

というわけで「差分」の訳語を調べてみたら、こちらはやはり「defferential backup」だった。文字通り「difference 差」ということだから、これは「差分」と言ってもいいだろう。

ただ「差分バックアップ」と言った時に「前回からの差」だと無意識に思ってしまうのは私だけだろうか。差分バックアップは常に「完全バックアップからの差」をとるバックアップなのだ。

そういう意味で、defferential backup は「基準差バックアップ」にしてはどうか。その方が実情を伝えている。

翻訳は「イメージを伝える」作業である。

外国語が苦手な人は逐語訳をしがちだが、翻訳はイメージを伝える作業である。「英単語=日本語単語」という対応が正確であることはあまりない。

例えば「首」という単語を英語にするとしたら何だろうか。neckという語が最初に浮かぶのは自然なことだけれど、実情をよく考えてみると 首=neckではないことがわかる。

「大将の首をとれ」は「head」だ。neckだけとるような戦場はありえない。日本語の「首」のイメージを正しく伝えるには、headとneckを使い分けなければならない。

バックアップも同じで、incremental backup、differential backupのイメージを正しく伝える訳語があれば、大勢の人が効率よく学習できる。

そしてこれは英語に限らず、日本語だって、イメージを正しく伝えることが大事なのだ。